鈴木春信の魅力は、絵の中に漂う「詩的」なムードです。夢幻的と呼ばれる春信の作品は、後の歌麿や淸長とは明らかに違い、「人形のように可愛い」少女たちを描き出しています。それが、現代の目にもそう映るのですから、当時の江戸の町人たちにどれほどのインパクトを持ったのかは、想像するだに興味深いことです。